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◆ことばの話2269「ひちや」
関西では「質屋(しちや)」のことを、
「ヒチヤ」
と発音する方がいます。年配の方に多いのですが。そして実際に、看板にはひらがなで、
「ひちや」
と書いてあるものも多いのです。
東京弁では「ひ」が「し」になって、「新幹線ひかり号」が
「しんかんせん・シかりごう」
になる、と聞いたことがありますが、関西弁ではその逆に「し」が「ひ」になるのですね。
「しちや」→「ひちや」
これ以外にも同じような変化をするものを見つけました。
「おしたし」→「おひたし」
これも「し」が「ひ」になるケースですね。探せばまだまだありそうな気がします。
お気づきの方、どうぞご一報ください! |
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2005/8/5 |
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(追記)
朝日新聞の福田さんからご指摘をいただきました。
「おしたし」→「おひたし」
ではなく、
「おひたし」→「おしたし」
ではないですか?「お浸し」なんだし。
あああ!間違えたア!!
福田さん、ご指摘ありがとうございます。ホントだぁ、もうどっちがどっちか判らなくなっていました。
でも、そのショックで思い出しました。関西では、シーツやふとんを、
「ひく」
と言います。これは標準語では、
「しく(敷く)」
ですから、
「し」→「ひ」
の例ですよね。 |
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2005/8/8 |
(追記2)
「しつこい」のことを大阪では、
「ひつこい」
と言うのを思い出しました! |
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2005/9/9 |
(追記3)
逆のパターン、東京の下町言葉は、「ひ→し」になりますね。「新幹線ひかり号」が、
「新幹線しかり号」
となったり、「タバコの火」が、
「タバコのし」
になったり。芸能デスクの石川敏男さんは、けっこう「ひ→し」になってますよね。
昔の資料が出てきて、その中に2003年8月31日のテレビで(どこのテレビ局かはわからないんですが)、朝香光代さんが、
「ひんでんず」(心電図)
「ひなない」(死なない)
と言っていた、という記録が出てきました。朝香さんも東京の下町の方ですよね。 |
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2005/10/19 |
(追記4)
10月23日、たぶん再放送の『お宝鑑定団』を見るともなく見ていたら、「いい仕事してますねぇ」の人が、
「思い出にしたる(浸る)」
と言っていました。 |
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2005/11/18 |
(追記5)
先週、出張で行った愛媛県の松山の町で見かけた看板。
「ひちや・ふじ屋」
「ひちや・富士宮」
ともに「し→ひ」への変化でした。松山市は西の文化圏だったのですね。
それにしても10分ほど歩いただけで、少し離れた場所に質屋が2軒も見つかったので、驚きました。 |
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2005/11/20 |
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