◆ことばの話2174「BRICs」
ここ1年ほど、新聞紙上で目にする機会が増えたアルファベットに、
「BRICs」
があります。
「ブリクス」
と読むようです。5月3日の日経新聞にも、
「損保の海外戦略 BRICsが主戦場に」
という見出しが出ていました。それによるとこの「BRICs」は、
「ブラジル(B)ロシア(R)、インド(I)、中国(C)」
という4つの国のことを指し、その頭文字を取ったのですね。「s」は複数形の「s」かな。この4か国は「新興市場国」、つまり経済成長の度合いが大きく、今後成長が期待されている国ということですね。
ネットの「Yahoo!辞書」では、すでにちょうど1年前の5月7日に取り上げられています。
「BRICs」(2004年5月7日)=『ブラジル、ロシア、インド、中国の4か国の頭文字をとった造語。アメリカの大手証券会社ゴールドマン・サックス社が、2003年秋に投資家向けにまとめたリポートで用いて注目されている。現在のペースで経済が発展していくと、上記4か国が世界経済地図を大きく塗り替えるという予測である。今後30年以内に、日本経済は規模の上で中国はもちろん、インドにも抜かれてしまう。2039年には、現在の世界の経済大国のトップ6か国(G6)であるアメリカ、日本、ドイツ、フランス、イギリス、イタリアの合計を「BRICs」が経済規模で上回り、2050年には中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシアの順となるとしている。BRICsが今後30〜50年の間に浮上することは、世界のパワーバランスにも大きく変化をもたらすともいわれている。BRICsはそれぞれすでに地域大国となっており、中国、ロシア、インドは核保有国、中国とロシアは国連安全保障理事会常任理事国として拒否権を行使することができる。これらの国々が経済的な実力を身につけることで、世界はアメリカの一極支配から、「多極化」構造へと変わっていくと予測する研究者もいる。』
最近話題になっている日本の国連の常任理事国入りですが、ここでも日本と並んで名前が挙がっているのが、実はブラジル、インドなんですねえ。ちなみに言うまでもなく、既に中国とロシアは常任理事国です。こういった国々が経済成長を遂げれば、政治的な発言権を強めることにもつながり、たしかに国際間のパワー・バランスが変わってくるかも知れません。
Google検索では、
「BRICs」=4万2100件
でした。まだ経済紙や経済面でしか目にする機会はないかもしれませんが、今後ますますこの「BRICs」を目にする機会は増えるかもしれませんね。注目です。
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