◆ことばの話2145「二次元バーコード」
京都市が導入した「二次元バーコード」というのを、3月24日のニューススクランブルで紹介していました。この、 「二次元バーコード」
という言葉が、聞きなれない、初めて耳にするので調べてみました。GOOGLE検索では(4月10日) 「二次元バーコード」=5件
「2次元バーコード」=21件
まだほとんど載っていません。ただ、この中に、 「QRコード」
という言葉が出てきたので、「QR、バーコ−ド」をキーワードの検索してみたら、なんと19万件も出てきました。その中で、デンソーウェーブという会社のホームページを見ると、
「QRコード は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。」
とあり、いろいろ解説が記載してありました。それによると、最初は1列だけのバーコードだったものが、バーコードをいくつも並べる形が出てきて、その後、バーコードが重なる形の「2次元バーコード」(スタックド・バーコード方式)が登場、そしてさらに2次元バーコードは「マトリックス方式」へと進化したというのです。
その図を見て、私はようやく思い当たりました。最近時々見かける「ケータイのカメラで撮影すると情報が出てくる」という、四角い正方形のグチャグチャとしたマーク、あれが「2次元バーコード」と呼ばれるというものだったのです。そして「QRコード」というのは、2次元コードの一種であり「リーダにとって読み取り易いコード」を主眼に、デンソーウェーブ(開発当時は株式会社デンソーの一部門)が開発し、1994年に発表したものだそうです。そして、バーコードは一方向だけに情報を持っているのに対し、「QRコード(二次元コード)」は、
「縦、横二方向に情報を持つことで、記録できる情報量を飛躍的に増加させたコード」
なんだそうです。つまりこれまでのバーコードは、短い方の長さは情報を持っておらず、情報は長い方、つまり横の長さの部分に含まれていて、見た目はタテヨコありますが、情報は横にしかなかったと。それに対して、正方形の2次元バーコードは、タテヨコともに情報を含んでいるということなのです。それだけ情報量が多いのですね。
それで、デンソーウェーブ以外にも「2次元バーコード」は開発されていて、たとえば、アメリカのSymbol社は「PDF417」というスタックド・バーコード方式の2次元バーコードを、同じくアメリカのCI
Matrix社は、マトリックス方式の「DataMatrix」を、これもアメリカのUPS社は、マトリックス方式の「Maxi
Code」という2次元バーコードが開発されているそうです。
ふーん、世の中進んでいるんですねえ・・・。
2005/4/10
(追記)
と、書いてから4月12日に日経新聞夕刊を読んでいると、1面に「食はどこから〜履歴管理最前線」という特集の<下>が出ていました。「履歴管理」というのは、例の「トレーサビリティ」たら言う横文字を日本語に置き換えたものですね。その中に、「2次元バーコード」が出てきていました。青果物、つまり野菜などの表示に、例の正方形のごちゃごちゃした「2次元バーコード」を付けてケータイのカメラで映すと、どんな農薬が使われているのかなどの情報がわかるというものでした。取材で出ていたスーパー・ジャスコでは、去年9月から携帯電話を使った生産関連情報の公開を始め、2次元バーコードの読み取り機能が付いた機種を使えば、農薬の種類や散布回数・畑の写真・生産者の顔などを消費者が自由に閲覧できるというものだそうです。
2005/4/13
(追記2)
4月18日の日経新聞に、電通が、インターネットを利用して新聞、雑誌などの既存マスメディアの広告販促機能を高めるサービスを始めるという記事が出ていて、そこに「二次元コード」も出ていました。
『デンソーの子会社などと開発し、安全性を高めた「二次元コード」も活用する。』
として、二次元(バー)コードの写真も載っていました。
2005/4/19
(追記3)
友人のY君からメールが届きました。
「2次元バーコードについては、もっと普及していると思ってました。正確に言えば、『2次元コード』であって『2次元バーコード』とは言いません(でした)。1次元のコードの事を一般に『バーコード』というので、2次元になった時点でバーコードではないからです。ただ、どこかで2次元バーコードという言葉が使われたんでしょうね。今では、どっちでもいいようです。私たちは(仕事上は)『QRコード』の方をよく使うかもしれません。エッセーの追記にもあるように『トレーサビリティー』を最初に導入した石井食品がこのコードを使ったことで一気に普及したのが5年前。自治体では観光エリアに、その地の由緒来歴などをそのコードに記録しポスターや看板にはりつけ、観光客は携帯でそのコードを読み込み観光情報を得るというサービスを始めるらしいです。『ユビキタスミュージアム計画』と言うらしいです。ただ、ヨーロッパではすでに2次元コードから『RFID(いわゆるIDタグの事)』導入に変わっており、このままだと日本はIDタグ普及が遅れるのではないかと密かにに心配しています。」
とのことです。さすがに流通の現場にいるだけに詳しいですね。情報をどうもありがとうございました。
そのメールをもらった翌日の4月22日の毎日新聞に、
「仕事管理はICタグで〜長時間待たせません 阪急百貨店と三越」
という見出しが出ていました。在庫管理システムに「ICタグ(電子荷札)」を導入するという記事です。在庫管理の効率化とともに、顧客が買いたい靴のサイズや色があるかどうか瞬時にわかるために、顧客を売り場で長時間待たせることがなくなり、サービスの向上につながると期待されているそうです。
2005/4/22 |