番組審議会報告とはProgram council report

「番組審議会」とは、放送法という法律で定められた審議機関のこと。
テレビ局が放送する番組の充実・向上と適正をめざして審議するために設置されています。
讀賣テレビ放送番組審議会 委員は、さまざまな分野の有識者10名で構成されており、
原則として審議会を月1回開催しています。
あなたが知っている番組について話し合っていることもありますので、
ぜひ一度読んでみてください。
いつもとは違った視点でテレビを見るようになれるかもしれません。

※読売テレビの番組は、放送基準にもとづいて製作しています

第653回2024.6.7

6月の番組審議会は、7日(金)に開催されました。

今回は4月28日(日)に放送された
NNNドキュメント’24『命を運ぶ電車 JR福知山線事故19年 安全への道標』
について委員の皆様からご意見をいただきました。
また6月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要の報告も行いました。

なお、二河伊知郎委員は今回で退任されます。


□出席委員
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子 一ノ瀬メイ 二河伊知郎 谷本奈穂 吉村和真

NNNドキュメント’24『命を運ぶ電車 JR福知山線事故19年 安全への道標』について
委員の皆様からのご意見です。

「災害や大事故の記憶や教訓は年月とともに確実に風化する。
災害や大事故の発生日の前後に展開される報道は
『アニバーサリー・ジャーナリズム』として揶揄されたりもするが、
定期的に報じ続けることは大切だ』
「遺族への取材について、
『そっとしてあげてほしい』という感情は自然なことだが、
一方で遺族の声が人々の共感を得ることで問題が浮き彫りになりもする。
遺族のひとり、淺野さんに長い時間をかけて取材を続け
事故を風化させまいとする番組で、拍手をおくりたい」

といったご意見のほか、

「遺族とJR西日本とが
同じテーブルについて事故の検証をするという
稀有な取り組みを推進した淺野さんの人となりがよくわかった。
また技術畑出身というJR西日本の元社長への取材も
困難だったと思われるが、遺族への向き合いの真摯さがよく伝わった。
厳しい目を向けられるとわかっていたと推察されるが、
インタビューに穏やかに応じる姿が心に残る。
ただキーワードとなる『技術者の矜持』について、
もう少し深い説明が欲しかった」

といった声や

「画面上の文字のフォントや大きさにも神経が行き届き、
非常に読みやすかった。
また山本隆弥アナウンサーの穏やかな声のナレーションもよかった」
「今年に入ってJR西日本では、
雪のため立ち往生した電車に7000人が閉じ込められるという
トラブルもあった。
企業として本当に変わっているのかという
検証が欠けていたところは残念だ。
これからも報道を続けていくなかで、
事故を起こした企業や組織がどのように変わったか、
引き続き追ってほしい」

といったご意見もいただきました。

NNNドキュメント’24『命を運ぶ電車 JR福知山線事故19年 安全への道標』
について、委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。

第652回2024.5.10

5月の番組審議会は、10日(金)に開催された。

今回は「読売テレビに期待すること、テレビに期待すること」というテーマで
委員の皆様からご意見をいただいた。
また4月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要のほか、
2023年度下期の番組種別の報告も行った。


□出席委員
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 
古川綾子 一ノ瀬メイ 谷本奈穂 吉村和真

『読売テレビに期待すること、テレビに期待すること』について
委員の皆様からのご意見です。

「テレビ離れが顕著といわれる。
かつてのように『テレビを見ていないと学校や職場で話題についていけない』
という状況ではなくなった。
皆が自分に関心のある情報にしか接しなくなっている多様な社会、
言葉を変えればバラバラな社会だからこそ、
テレビには生活のベースライン、
社会の基盤となる情報を送り出し続けてほしい」
「フェイクニュースがあふれる社会にあって、
正確な情報を発信するテレビに期待されるところは大きい。
テレビとネットとがあいまって様々な情報を発信するようになっているが、
テレビには確かで質の良い情報を発信する機能を
果たし続けていってほしい」

といったご意見のほか、

「読売テレビのバラエティ番組には高めの年齢層向きが多いように思える。
ネット上にはさまざまなバラエティ的な試みがあふれている。
テレビにはネットとは違うやりかたで、
『本物感』あふれるバラエティを期待する」
「番組だけでなく企画するイベントなどでも
もっと強い『関西愛』が欲しい。
インバウンドの潮流のなかで地方の良さが見直されてもいる。
ローカルをつきつめれば
世界に通用するものが生まれるのではないだろうか」
「『24時間テレビ』や『パラリンピック中継』、あるいはドラマでも、
障害者が主人公となる番組も増えてきた。
影響力の大きいテレビの力によって
マイノリティの人たちへの意識も変わってきた。
さらにそこから、
マイノリティが『特別な、ポジティブな存在』として描かれるのではなく、
『ごく当たり前の存在』として登場し描かれる番組が増えてほしい」

との声もいただきました。

『読売テレビに期待すること、テレビに期待すること』について、
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。

第651回2024.4.12

4月の番組審議会は、12日(金)に開催された。

今年度から新たに谷本奈穂氏と吉村和真氏が委員に就任。
また今年度の委員長には勝田泰久委員が、副委員長には小林順二郎委員と島尾恵理委員が選出された。

今回は2月29日(木)に放送された『見取り図の間取り図ミステリー』
について委員の皆様からご意見をいただいた。
また3月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要の報告も行った。


□出席委員
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子 一ノ瀬メイ 二河伊知郎 谷本奈穂 吉村和真

『見取り図の間取り図ミステリー』について
委員の皆様からのご意見です。

「テレビの前で出演者と一緒に推理をして楽しんだ。
家・住居をテーマにした番組は他にもあるが、
『間取り図』を切り口とした点は新しい。
間取り図を見るのが好きという人は多いだろうし、
誰でも興味のあるテーマだと思う。
最後まで飽きずに見られた」
「住居の外観や間取りの奇抜さが目をひくだけではなく、
住人の人となりや生活ぶり、
温かい思いまでが伝わった。
また費用もきちんと紹介しているところも行きとどいている。
『ミニマムな家』など、なぜそういう間取りにしたのかという
住人のこだわりや設計者の苦心なども知りたいと思った」

といった感想のほか、

「リサーチは大変だろうが、もっと多くのネタが欲しいと思った。
また番組の最後のほうがややインパクトが弱くなっており残念」
「各パートのテーマがはっきりしていて見やすかった。
ただクイズ形式で進行していたために
謎解きミステリー的な色が薄まった感もある。
また番組独自のランキングも根拠がわからず疑問だけが残った」
「番組全体をとおして必ずしも間取りだけにフォーカスしてはいなかったので
タイトルにそぐわないという声もあるだろうが、
新宿の『屋上の街』など奇抜な街づくりの話題などは面白い。
ほかの例はあるのかなど、さらなる情報も知りたいと思った。
タイトルについては、
MCの『見取り図』にあわせたということでよいのではないか」
「MCの存在感が薄かったところが残念。
小倉優子さんや大澤あかねさんのリポートぶりはよかった。
スタジオのゲストが多すぎた感もあるが、
一方で『トイレが2つある住居が普通』など
海外の事情を語れる外国人ゲストは必要だったのではないか」

との声もいただきました。

『見取り図の間取り図ミステリー』について、
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。
  • 2024年度 讀賣テレビ放送番組審議会 委員
  • 委員長  勝田泰久  (学校法人大阪経済大学 前理事長)
  • 副委員長  小林順二郎  (国立循環器病研究センター 名誉院長)
  • 副委員長  島尾恵理  (弁護士)
  • 委員  梶山寿子  (ノンフィクション作家)
  • 委員  白羽弥仁  (映画監督)
  • 委員  古川綾子  (大阪樟蔭女子大学准教授)
  • 委員  一ノ瀬メイ  (パラリンピアン)
  • 委員  谷本奈穂  (関西大学教授)
  • 委員  吉村和真  (京都精華大学教授 専務理事)
  • 委員  平尾武史  (読売新聞大阪本社取締役編集局長)